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神戸地方裁判所 昭和55年(行ウ)13号 判決

神戸市灘区上野通七丁目二番一四号

原告

宮迫豊治

右訴訟代理人弁護士

林田崇

被告

灘税務署長

末澤正純

右指定代理人

前田順司

中野英生

青木典敏

向山義夫

森修三

主文

原告の請求をいずれも棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  請求の趣旨

1  被告が原告に対して昭和五三年四月二七日付でした、原告の昭和五一年分所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を取消す。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

二  請求の趣旨に対する答弁

主文と同旨。

第二当事者の主張

一  請求原因

1  本件処分に至る経緯について

原告は、昭和五一年分の所得税につき、法定期限内に被告に対し、別紙(一)の確定申告欄に記載のとおり確定申告をしたところ、被告は、昭和五三年四月二七日付で同更正処分欄記載のとおりの更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分(以下、この両処分を合わせて「本件処分」という。)をした。

2  本件処分の違法について

しかし、右更正処分には左記のとおり、原告の分離短期譲渡所得について、昭和五一年分の所得として計上すべきでないものを計上した違法がある。

(一) 原告は、岡山県赤磐郡熊山町(以下、「熊山町」という。)内に別紙(二)の1ないし34記載の各土地(以下、「本件(一)土地」という。)を所有していた。

(二) 昭和四六年ころ、訴外大和ハウス工業株式会社(以下、「大和ハウス」という。)は、訴外中川竜介(以下、「中川」という。)を介して、原告に対し、本件(一)土地の買収方を申入れてきた。

これに対し、原告が金銭による売却を拒絶したところ、中川は、大和ハウスが熊山町及び同県赤磐郡山陽町(以下、「山陽町」という。)にまたがって開発を計画していた岡山ネオポリスと称する大規模な住宅団地内の完全造成地を代替土地として提供することを提案してきたので、原告は、同人を通じて大和ハウスと交渉を続け、その結果、原告と大和ハウスとの間に、原告において本件(一)土地を提供し、大和ハウスは、右土地に造成その他の変更を加え、これを将来完成されるべき岡山ネオポリスの一部に組入れることの対価として、これと価値的に同等とみられる完全造成地六〇〇〇坪(一万九八三四平方メートル)を原告に譲渡する旨の土地交換の合意が成立した。

なお、当時、大和ハウスは、熊山町側及び山陽町側を一括して土地区画整理事業により開発事業を行うこととしていたので、右契約の履行方法として、本件(一)土地を従前地として、その換地として同土地内の完全造成地六〇〇〇坪(一万九八三四平方メートル)を指定することとし、昭和四七年一二月二六日付でその旨の約定書及び本件(一)土地に関する地上権設定契約が原告と大和ハウスとの間で取り交されているが、これは、原告が同土地を大和ハウスに譲渡する代償として、岡山ネオポリス内の完全造成地を大和ハウスから受け取るための手段にすぎないものであり、大和ハウスは、原告が本件(一)土地に地上権を設定して引渡したことにより、同土地について、自由に造成等の変更を加えることが可能となっていた。

(三) ところが、その後、熊山町側が都市計画区域に指定されなかったこと及び同町側における山林の保安林指定解除の関係で本件(一)土地を新たに保安林に指定する必要が生じたことから、大和ハウスが前記約定書のとおり、同土地内から完全造成地六〇〇〇坪(一万九八三四メートル)を提供することが困難となった。

そこで、同社は、右六〇〇〇坪の完全造成地に代えて山陽町内の完全造成地を原告に提供することとし、その手段としてまず本件(一)土地から別紙(二)14、15及び18記載の三筆の土地を除いた三一筆の土地(以下、「本件(二)土地」という。)と同社所有の別紙(三)記載の土地(以下、「本件(三)土地」という。)とを交換し、この本件(三)土地の換地として山陽町側の四三〇〇坪(一万四二一四平方メートル)を指定するという方式を取ることとし、原告との間で昭和五一年四月一〇日付でその旨の約定及び同土地についての地上権設定契約をし、約定書を取り交した。

しかし、右の契約は、昭和四七年の契約の本質に何らの変更を加えるものではなく、単に同契約の実行が不可能となったので、熊山町側の完全造成地六〇〇〇坪(一万九八三四平方メートル)と山陽町側の完全造成地四三〇〇坪(一万四二一四平方メートル)とを交換する旨の新たな実行手段を約定したものにすぎない。

(四) 従って、原定所有の本件(一)土地は、同土地の引渡の日である昭和四七年一二月二六日に大和ハウスに譲渡されたものと解すべきであるから、同土地の譲渡所得(以下、「本件譲渡所得」という。)の発生時期は、前同日である。

(五) ところが、被告は、本件譲渡所得の発生時期を昭和五一年四月一〇日としている。

3  よって、原告は、本件処分の取消しを求めるものである。

二  請求原因に対する認否

1  請求原因第1項の事実は認める。

2  請求原因第2項について

(一) 同項冒頭部分の主張は争う。

(二) 同項(一)の事実は認める。

(三) 同項(二)のうち、本件(一)土地の譲渡が昭和四七年一二月二六日に行われたことは否認し、その余の事実は認める。

(四) 同項(三)のうち、第三段の主張は争い、その余の事実は認める。

(五) 同項(四)の主張は争う。

(六) 同項(五)の事実は認める。

三  被告の主張

1  本件事実関係について

(一) 大和ハウスは、岡山市の東北方約一七キロメートルに位置する熊山町(野間、可真上、弥上の三地区)及び山陽町(二井、中島、日古木、尾谷、津崎、神田の六地区)にまたがる丘陵地帯において、岡山ネオポリス(開発総面積約五〇〇ヘクタール、計画戸数八〇〇〇戸、計画人口約三万人)の建設を計画し、昭和四五年六月ころからその用地買収に着手した。

(二) ところで、本件(一)土地が岡山ネオポリスの計画区域内に所在したので、大和ハウスは、中川を通じて当時同土地のうち、別紙(二)の22、28及び29記載の三筆を除く土地の所有者であった原告の亡父訴外宮迫豊(以下、「豊」という。)に対してその買収方を交渉したが、同人はこれに応じなかった。

その後、これらの土地は、昭和四七年に豊から原告に贈与され、同年二月一〇日付でその旨の所有権移転登記が経由され、同年一〇月一五日に豊が死亡した。また、別紙(二)の22、28及び29記載の三筆の土地は、原告が同月一〇日付土地交換契約により、大和ハウスから取得している。

そこで、大和ハウスは、原告に対して改めて本件(一)土地の買収方の交渉をしたが、原告もまた、これに応じなかった。

(三) このような経緯から、大和ハウスは、前述したとおり、当時熊山町側をも含めて岡山ネオポリス開発事業の全域を一人施工の土地区画整理事業として施行する計画を持っていたので、中川を介して原告からその所有土地を提供してもらい、共同施行という形態で右事業を進めることを提案した結果、原告もこれを承諾し、同年一二月二六日に両者の間で次の内容の約定をし、約定書を取り交わした。

(1) 原告は、本件(一)土地について、大和ハウスを施行者とする土地区画整理事業の施行区域に含めて同社が土地区画整理法四条の規定による施行の認可申請をすることに同意する。

(2) 原告は、認可申請に係る事業計画については、大和ハウスの定める事業計画に同意する。

(3) 原告は、本件(一)土地に係る換地計画については、大和ハウスの定める換地計画に同意する。

(4) 原告は、本件(一)土地の上に土地区画整理事業の施行を阻害する一切の行為をしないことを保障する。

(5) 大和ハウスは、換地計画において本件(一)土地に照応する土地として、同土地の中から原告の希望する完全造成された土地一万九八三四平方メートル(六〇〇〇坪)を換地として定めなければならない。

なお、大和ハウスは、不測の事態により事業の施行に重大な支障が生ずることを懸念し、このような事態の発生を未然に防止し、事業施行上の地位の保全を図ることを目的として、右土地に無償で地上権を設定することについて原告の同意を得、同日付で地上権設定契約書を取り交わし、昭和四八年一月一二日に岡山地方法務局瀬戸出張所において、その旨の登記手続を経由した。

(四) 岡山ネオポリスの一団の宅地開発事業の施行区域のうち山陽町側は、当初からの計画どおり、岡山県知事から昭和四九年八月二一日付で一人施行の土地区画整理事業の認可を受けて事業を施行した。

ところが、熊山町側は都市計画区域に指定されなかったため、土地区画整理事業の認可を受けることができなくなった。そこで、大和ハウスは、当初の計画を変更し、岡山県知事から岡山県県土保全条例(昭和四八年岡山県条例第三五号)による開発行為についての許可を同年五月一六日付で受け、一般の住宅開発事業を施行することとした。

(五) また、大和ハウスは、事業施行区域内に所在した保安林の指定解除をめぐる岡山県及び林野庁との協議の結果、団地周辺部に相当面積の山林緑地地域(保安林)を残さなければならなくなったことから、昭和四八年末ころ、本件(一)土地の大部分を造成せず、山林のまま残すように事業計画を変更しなければならなくなり、そのため、本件(一)土地のうちから原告の希望する完全造成された土地一万九八三四平方メートル(六〇〇〇坪)を同土地に照応する換地として定めるとの前記約定を履行することが不可能となった。

このため、大和ハウスは、本件(一)土地外の完全造成地を代替地として原告に提供することを中川を介して原告に申出たが、原告は、同社の右申出に応じず、かえって同社に対し、岡山ネオポリスのうちでも熊山町側よりも岡山市に近くて、行政サービスの質が高く、地価も高い山陽町側への換地を強く要望した。

そこで、両者が交渉した結果、大和ハウスにおいて、造成完了のあかつきには、山陽町側で原告に完全造成地一万四二一四平方メートル(四三〇〇坪)を取得させることで合意が成立し、昭和五一年四月一日付でその旨の念書が取り交された。

(六) ところが、前述のとおり、山陽町側は既に昭和四九年八月二一日付で岡山県知事の認可を受けて土地区画整理事業として事業を施行していたので、換地処分により原告が換地を取得するためには、当該事業の施行区域内に従前地を所有していることを必要とした。そのため、原告は、大和ハウスとの間で、昭和五一年四月一〇日付で原告の所有地たる本件(二)土地三一筆合計面積八万五二五〇平方メートルと大和ハウスが本件土地区画整理事業の施行区域内に所有する本件(三)土地九筆合計面積二万八六三四平方メートルとを交換する契約を締結し、その旨の土地交換契約書を取り交わした。

また、右交換契約によって原告が取得した本件(三)土地について、大和ハウスと原告は、同日付で前記昭和四七年一二月二六日付の本件(一)土地にかかる約定書及び地上権設定契約書と同内容の約定書及び地上権設定契約書をそれぞれ取り交わした。しかし、原告が大和ハウスから右交換契約により取得した土地の面積が二万八六三四平方メートルとなっているため、右約定書五項においては、これに照応する土地として完全造成地一万四二一四平方メートル(四三〇〇坪)を換地計画において換地として定めることとされている。

そして、右交換契約に伴う所有権移転登記手続は、岡山地方法務局瀬戸出張所において、同年一一月二日それぞれこれを了し、また、本件(二)土地に対する地上権設定契約についても、同日その設定登記を経由した。

2  本件における譲渡所得の収入金額の権利確定時期について

(一) 譲渡所得課税の本質は、所有資産の値上りによってその資産の所有者に帰属する価値の増加益、すなわち、キャピタル・ゲインを所得として、その資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会に、右保有期間中の増加益を清算して課税するものである。

右の増加益清算説によれば、所得税法三三条一項にいう「資産の譲渡」とは、有償無償を問わず、資産を移転させる一切の行為をいうものと解すべきであり、交換も同項にいう「譲渡」に含まれることはもちろんである。

また、資産の譲渡によって発生する譲渡所得についての収入金額の権利確定の時期は、当該資産の所有権その他の権利が相手方に移転するときであり、実務上は譲渡所得の原因となる資産の引渡しがあった日によることとしているが、当該資産の譲渡に関する契約の効力発生の日により総収入金額に算入して申告することもできる(所得税基本通達三六-一二)。

(二) これを本件についてみるのに、

(1)(イ) 原告と大和ハウスとの間の昭和四七年一二月二六日付約定書は、大和ハウスが岡山ネオポリスのうち熊山町側で施行する予定であった土地区画整理事業について、その認可申請をすること及び事業計画についての同意を主たる内容とするものである。

ところで、土地区画整理法八条一項によれば、個人施行者が同法四条一項に規定する認可を申請するためには、その者以外に施行地区となるべき区域内の宅地について権利を有する者がある場合においては、事業計画についてこれらの者の同意を得なければならないものとされている。

従って、前記約定は、同条による同意を予定してされたものというべきであり、譲渡所得課税の原因たる「資産の譲渡」にあたらない。

(ロ) また、前述のとおり、交換も所得税法三三条にいう「資産の譲渡」に該当するものの、こうした交換による譲渡所得が発生するためには、交換の対象となる土地が特定されている必要がある。

すなわち土地区画整理事業にあっては、工事が完了し、換地処分の公告があったときに、換地計画において定められた換地は、その公告のあった日の翌日から従前の宅地とみなされる(土地区画整理法一〇四条一項)こととなっているから、この時点において対象となる土地が特定され、「資産の譲渡」があったことになる。

ところが、前記約定の時点では、いまだ土地区画整理事業の着手もないため、換地処分の公告もなく、交換の対象たる土地は特定されていない。

よって、「資産の譲渡」に当たるべき事実はない。

(ハ) 以上のとおりであるから、昭和四七年一二月二六日の時点で本件(一)土地の譲渡があったものとみることはできない。

(2) また、大和ハウスは、昭和四八年春ころ熊山町側の区域については土地区画整理事業としての事業施行を断念し、一般の宅地開発事業として事業を施行することとしたが、原告及び大和ハウスは、昭和四七年一二月二六日付の約定の内容には何らの変更を加えなかった。

よって、この時点においても、「資産の譲渡」に当たるべき事実は生じていない。

(3) 原告は、前述のとおり、昭和五一年四月一〇日、本件土地交換契約を締結したのであり、契約の趣旨からみても、同日、大和ハウスに対し、本件(二)土地の引渡しを了したとみるべきであるから、同日、同土地の譲渡所得についての収入金額の収入する権利は確定したものとみるべきである。

更に、本件交換が所得税法五八条又は租税特別措置法(以下、「措置法」という。)三七条の四の課税の繰延べによる特例の要件に該当しないことも明らかである。

(三) 従って、本件(二)土地が大和ハウスに譲渡されたのは、昭和五一年四月一〇日である。

3  譲渡所得金額の計算について

(一) 大信観光開発へ譲渡した分について

(1) 原告は、熊山町野間一二番二原野四七二平方メートル及び同所八六番二山林八六五八平方メートルの二筆合計面積九一三〇平方メートルを昭和五一年一月三一日訴外大信観光開発株式会社(以下、「大信観光開発」という。)へ五五二万四〇〇〇円で譲渡した。

(2) 右土地は、原告が昭和四四年一月一日以後に取得したものであるから、その譲渡に係る譲渡所得の課税については措置法三二条の規定が適用される。

(3) 原告は、右の譲渡所得については昭和五二年三月一五日に別紙(四)のとおり確定申告を行い、同所得について四七九万七八〇〇円を申告している。

(二) 大和ハウスと交換した分について

(1) 前述のとおり、原告は、昭和五一年四月一〇日に本件(二)土地三一筆合計面積八万五二五〇平方メートルを大和ハウスへ交換により譲渡した。

右土地も原告が昭和四四年一月一日以後に取得したものであるから、その交換に係る譲渡所得の課税についても措置法三二条が適用される。

(2) 本件(二)土地の収入金額について

(イ) 右土地の交換による譲渡所得の収入金額は、所得税法三六条一項かつこ書及び同条二項の規定によれば、原告が交換により大和ハウスから取得した本件(三)土地九筆合計面積二万八六三四平方メートルの昭和五一年四月一〇日現在の時価によることとなる。

(ロ) 土地売買は実測面積に基づいて行われるのが通例であるから、本件(三)土地の同日現在の時価の算定もその実測面積に基づいて行うべきであるが、同土地の実測面積は不明である。

ところで、大和ハウスは、岡山ネオポリス開発事業の施行に関し、山陽町に対して昭和四六年二月一五日付協定に基づき、山陽町側の用地約二五〇ヘクタールを別途定める価格により一括して買収できるようその取りまとめと用地買収に伴い換地を必要とする場合の換地のあっせん等を依頼していた。そして、その実施細目は、同日付覚書に定めるところによっていたが、右覚書等によれば、次のとおり定められていた。

〈1〉 買収は公簿面積による。

〈2〉 山林及び原野(雑種地及び堤を含む)については、実測見込面積による。

〈3〉 右見込面積の算出は、公簿面積に縄延び割合二・二八を乗じて得た面積による。

そこで、被告は、本件(三)土地の昭和五一年四月一〇日現在の時価の算定に当たっても、右基準による実測見込面積の算出方法を借用することとし、同土地の公簿面積は二万八六三四平方メートルであるから、右の縄延び割合二・二八を乗じて実測見込面積六万五二八五平方メートルを算出した。

(ハ) 土地の正常価格を求めるには、地価公示法(昭和四四年法律第四九号)六条の規定により公示された標準地の価格又は国土利用計画法施去令(昭和四九年政令第三八七号)九条一項の規定による基準地の標準価格を基準とするのが最良である。

ところが、岡山ネオポリス開発事業施行区域には、右標準地も基準地もないため、本件(三)土地の昭和五一年四月一〇日現在の時価は、その近隣地域又は同一需給圏内の類似地域における、対象土地と類似の土地の取引事例に基づいて求めるほかはない。

そこで、同年中における岡山ネオポリス開発事業施行区域内の土地の取引事例についてみるのに、本件(三)土地と同一需給圏内の類似地域に当たると認められる熊山町弥上地区において、大和ハウスが一反当たり一〇〇万円で山林の買収を行った事例があり、右事例以外には本件(三)土地の価格を求めるために基準とすべき土地の取引事例はない。そして、右取引事例の一反当たりの価格一〇〇万円を、三・三平方メートルが一歩に当たるものとして換算すれば、一平方メートル当たりの価格は一〇一〇円となる。

この取引事例は、大和ハウスの用地買収の一環としてのものであり、特異な事情に基づく個別の価格補正要因はない。また、昭和五〇年九月以降昭和五三年九月に至るまでの間においては、年間における地価変動は極めて少なく、同一年中の土地の取引事例による限り、価格時点が異なることによる取引事例価格の時点修正は要しないものと認められる。

(ニ) 従って、これらを基準にして本件(三)土地の昭和五一年四月一〇日現在の時価を求めることとし、その実測見込面積六万五二八五平方メートルに、一平方メートル当たりの価格一〇一〇円を乗ずると、その価格は六五九三万七八五〇円となる。

(3) 本件(二)土地の取得費について

(イ) 本件(二)土地のうち、別紙(二)の22、28及び29記載の三筆の土地を除く二八筆合計面積七万六五六七平方メートルは、前述のとおり、原告が豊から贈与により取得したものであるが、右土地の贈与に関し、贈与者たる豊から、昭和四八年法律第八号による改正前の所得税法五九条二項に規定する書面の提出がなかったので、同法六〇条二項により、原告は、右土地を贈与を受けた時の時価に相当する金額により取得したものとみなされることとなる。

(ロ) 右の金額は、次のとおり一一五六万一六一七円である。

〈1〉 本件(二)土地三一筆は、国土調査法(昭和二六年法律第一八〇号)二条一項三号に規定する地籍調査が行われ、その成果に基づいて昭和四六年九月一八日地積の更正登記がされている。従って、登記簿に記載されている地積は実測面積である。

〈2〉 もっとも、別紙(二)の17及び24記載の土地については、右更正登記が誤っていたとして、右17の土地は昭和五一年二月二七日、右24の土地は同年四月六日、地積の再更正登記がなされているので、これらの土地の時価の算定は右再更正後の面積によることとする。

〈3〉 岡山ネオポリス開発事業施行区には、標準地も基準地もないことは前述のとおりである。よって、本件(二)土地のうち、別紙(二)の22、28及び29記載の三筆を除く二八筆の土地を原告が贈与によって取得したときの時価についても、その近隣地域又は同一需給圏内の類似地域における対象土地と類似の土地の取引事例に基づいて求めるほかはない。

〈4〉 このため、昭和四七年中における岡山ネオポリス開発事業施行区域内の前記二八筆の土地と同一需給圏内の類似地域における土地の取引事例を求めることが必要となるが、当時は大和ハウスが右地域内の土地の買収を進めていた時期に当たり、右買収以外には適当な土地の取引事例は存在しない。

また、大和ハウスの熊山町側の用地買収は、山陽町側と異なり、大和ハウスが各地主との個別交渉が恣意に流れることをおそれ、これに備えて統一的な用地買収基準を作成し、昭和四五年以降昭和四七年に至るまで、右基準に則って用地買収を進めた。

そこで、前記二八筆の土地を原告が贈与によって取得した時の時価の算定に当たっては、右基準を借用する。

〈5〉 右基準によれば、現況地目が山林及び原野であるものについては、一反当たり一五万円で買収することとしており、保安林及び雑種地についても山林及び原野と同一単価で買収することとしている。

そこで、右基準の一反当たりの価格一五万円を、三・三平方メートルが一歩に当たるものとして換算すると、一平方メートル当たりの価格は一五一円となる。

〈6〉 従って、前記二八筆の土地の面積七万六五六七平方メートルに一平方メートル当たりの価格一五一円を乗ずると一一五六万一六一七円となる。

(ハ) 別紙(二)の22、28及び29記載の三筆の土地合計面積八六八三平方メートルは、昭和四七年一〇月一〇日付の前記土地交換契約により、原告が同日大和ハウスから交換により取得したものであり、原告は、右土地を交換当時の時価に相当する金額により取得した。

(ニ) 右の金額は、次のとおり、一三一万一一三三円である。

〈1〉 別紙(二)の22、28及び29記載の三筆の土地の実測面積は、前記の理由により、登記簿記載の地積八六八三平方メートルである。

〈2〉 右土地の昭和四七年一〇月一〇日現在の時価についても、前記の理由により、一平方メートル当たりの価格を一五一円として、その金額を算定するのが相当であり、これを同土地の面積八六八三平方メートルに乗ずると一三一万一一三三円となる。

(ホ) 以上のとおりであるから、本件(二)土地の取得費は、(ロ)及び(ニ)の各金額を合計した一二八七万二七五〇円となる。

(4) 譲渡費用について

原告が、本件(二)土地を大和ハウスへ交換により譲渡するために要した費用はない。

(5) よって、原告が本件(二)土地を大和ハウスへ譲渡したことによって生ずる譲渡所得の金額は、譲渡価額六五九三万七八五〇円から取得費一二八七万二七五〇円を控除した五三〇六万五一〇〇円である。

(三) 原告の昭和五一年分分離短期譲渡所得について

以上のとおりであるから、原告の昭和五一年分分離短期譲渡所得は、前記(一)の四七九万七八〇〇円に同(二)の五三〇六万五一〇〇円を加えた五七八六万二九〇〇円となる。

4  本件処分の適法性について

(一) 以上述べたとおり、原告は昭和五一年に五七八六万二九〇〇円の分離短期譲渡所得があったにもかかわらず、前項(一)の四七九万七八〇〇円しか申告しなかった。

そこで被告は、昭和五三年四月二七日付けで、本件処分を行った。

(二) 被告が主張する原告の昭和五一年分分離短期譲渡所得金額は、前述したとおり五七八六万二九〇〇円である。ところで、本件更正処分に係る原告の同年分分離短期譲渡所得金額四三二三万二八四五円は、被告主張額の範囲内である。

従って、被告のした本件更正処分には、違法はない。

(三) 原告は、被告主張に係る分離短期譲渡所得金額を含めた所得税の確定申告をしなければならなかったにもかかわらず、これをしなかったため、本件更正処分を受けたものである。また、原告には、本件更正処分を受けたことについて国税通則法六五条二項但し書に規定する「正当な理由」はない。

従って、被告が本件更正処分とあわせてした過少申告加算税の賦課決定処分には違法はない。

(四) 以上のとおりであるから、本件処分は適法であり、原告の主張は理由がない。

四  被告の主張に対する認否

1  被告の主張第1項について

(一) 同項(一)の事実は知らない。

(二) 同項(二)の事実は認める。

(三) 同項(三)のうち、原告と大和ハウスとの間で共同施行に関する合意が成立したとの点及び地上権の設定は、大和ハウスの事業施行上の地位を保全することが目的であったとの点は否認し、その余の事実は認める。

(四) 同項(四)の事実は認める。

(五) 同項(五)のうち、第二段の事実は否認し、その余の事実は認める。

(六) 同項(六)の事実は認める。

2  被告の主張第2項について

(一) 同項(一)の主張は争う。

(二) 同項(二)について

(1) 同(1)の(イ)のうち、第一段の事実は認め、その余の主張は争う。同(ロ)は争う。同(ハ)の主張は争う。

(2) 同(2)は争う。

(3) 同(3)の主張は争う。

(三) 同項(三)の主張は争う。

3  被告の主張第3項について

(一) 同項(一)の事実は認める。

(二) 同項(二)について

(1) 同(1)の主張は争う。

(2) 同(2)の(イ)の主張は争う。同(ロ)のうち、本件(三)土地の公簿面積が二万八六三四平方メートルであることは認め、その余の事実は知らない。同(ハ)及び(ニ)の各主張は争う。

(3) 同(3)の(イ)の主張は争う。同(ロ)は争う。同(ハ)の事実は認める。同(ニ)は争う。同(ホ)の主張は争う。

(4) 同(4)の事実は認める。

(5) 同(5)の主張は争う。

(三) 同項(三)の主張は争う。

4  被告の主張第4項について

(一) 同項(一)のうち、原告の昭和五一年の分離短期譲渡所得が五七八六万二九〇〇円であるとの主張は争い、その余の事実は認める。

(二) 同項(二)ないし(四)の各主張は争う。

五、原告の反論

1  被告の本件(三)土地の実測面積の算定根拠は、不確実である。

2  また、右の土地は、原告が四三〇〇坪(一万四二一四平方メートル)の換地を取得するために形式的に取得したものにすぎないから、その実測面積がどれだけあるかについては、原告及び大和ハウスは、全く関心がなかった。

3  従って、このように形式的な意味しか有せず、かつ、不確実な根拠に基づく実測見込面積を基礎にして譲渡所得金額を算定することは違法であるから、本件処分はこの理由によっても取消しを免れない。

六  原告の反論に対する認否

1  原告の反論第1項及び第3項の各主張は争う。

2  原告の反論第2項の事実は否認する。

第三証拠

本件訴訟記録中の書証目録及び証人等目録記載のとおりであるから、これを引用する。

理由

一  請求原因第1項の事実は、当事者間に争いがない。

二  本件処分の適否について

1  本件事実関係について

成立に争いのない乙第二ないし第九号証、第一二号証、第一七、第一八号証(以上は原本の存在についても争いがない。)

第二二、第二三号証及び第二五ないし第三五号証、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる乙第一一号証、証人本田寿昌の証言(以下、「本田証言」という。)、証人中川竜介の証言(以下、「中川証言」という。但し、後記信用しない部分を除く。)、原告本人尋問の結果(但し、後記信用しない部分を除く。)並びに弁論の全趣旨を総合すれば、次の各事実が認められ、成立に争いのない甲第二号証の記載並びに中川証言及び原告本人尋問の結果中の右認定に反する部分は、前記の各証拠に照らして採用することができず、他にこの認定を左右するに足りる証拠はない。

(一)  大和ハウスは、岡山市の東北に位置する岡山県赤磐郡熊山町(野間、可真上、弥上の三地区)及び同郡熊山町(二井、中島、日古木、尾谷、津崎、神田の六地区)にまたがる約五〇〇ヘクタールの岡山ネオポリスと称する住宅団地(計画戸数八〇〇〇戸、人口三万人)の建設を計画し、昭和四五年六月ころからその用地買収に着手した。

(二)  ところで、本件(一)土地から別紙(二)の22、28及び29記載の各土地を除く三一筆の土地が岡山ネオポリスの計画区域内に所在したため、大和ハウスは、土地家屋調査士である中川を代理人とし、同人を介して当時右土地の所有者であった豊に対し、その買収方を交渉したが、同人は、対税上の考慮からこれを拒否した(右土地が右計画区域内にあったこと、中川と豊とが右土地について交渉したこと及び豊が大和ハウスの申出を拒否したことは、当事者間に争いがない。)。

その後、これらの土地は、昭和四七年に豊から原告に贈与され、同年二月一〇日付で原告への所有権移転登記が経由された。そして、豊は同年一〇月一五日に死亡した(以上の事実は当事者間に争いがない。)。

他方、原告は、同月一〇日に大和ハウスとの間で土地交換契約(乙第一二号証は、その写し)を締結し、別紙(二)の22、28及び29記載の三筆の土地を取得し、これにより、原告は本件(一)土地を所有することになった。

そこで、大和ハウスは、原告に対して改めて本件(一)土地の買収方の交渉をしたが、原告もまたこれに応じなかった(この点は、当事者間に争いがない。)。

(三)  そこで、大和ハウスは、岡山ネオポリス開発地区全域の土地所有権を取得し、一人施行の土地区画整理事業として開発を行うという当初の計画を変更し、原告から本件(一)土地を提供してもらって原告との共同施行という形で右事業を行い、同土地に対しては、これに照応する造成された換地の指定を行うという案を中川を介して原告に提案し、これに原告の合意を得て、同年一二月二六日付で原告との間に次のとおりの内容の約定をし、その約定書(乙第四号証はその写し)を取り交わした(約定書の成立日及びその内容は、当事者間に争いがない。)。

(1) 原告は、本件(一)土地について、大和ハウスを施行者とする土地区画整理事業の施行区域に含めて同社が土地区画整理法四条の規定による認可申請をすることに同意する。

(2) 原告は、右認可申請に係る事業計画については、大和ハウスの定める事業計画に同意する。

(3) 原告は、本件(一)土地に係る換地計画については、大和ハウスの定める換地計画に同意する。

(4) 原告は、本件(一)土地の上に土地区画整理事業の施行を阻害する一切の行為をしないことを保証する。

(5) 大和ハウスは、換地計画において本件(一)土地に照応する土地として、同土地の中から原告の希望する完全造成された土地一万九八三四平方メートル(六〇〇〇坪)を換地として定めなければならない。

なお、大和ハウスは、原告が本件(一)土地を第三者に譲渡しても、右事業の施行に支障が生じないようにするための保全手段として、同土地に無償で地上権を設定することについて原告の同意を得、同日付で大和ハウスを地上権者とする地上権設定契約書(乙第五号証はその写し)を取り交わし、昭和四八年一月一二日岡山地方法務局瀬戸出張所において、右地上権設定登記を経由した(地上権設定契約の締結及び登記の点は、当事者間に争いがない。)。

(四)  岡山ネオポリスの一団の宅地開発事業の施行区域のうち、山陽町側は、当初からの計画どうり、岡山県知事から昭和四九年八月二一日付で一人施行の土地区画整理事業(事業名、岡山東ネオポリス土地区画整理事業)の認可を受けて事業を施行したが、熊山町側は都市計画区域に指定されなかったため、土地区画整理事業の認可を受けることができなかった。そのため、大和ハウスは、熊山町側については、当初の計画を変更して岡山県知事から岡山県県土保全条例(昭和四八年岡山県条例第三五号)による開発行為についての許可を受け、一般の宅地開発事業として事業を施行することとし、昭和四九年五月一九日付で右許可を受けた(以上の事実は、当事者間に争いがない。)。

(五)  また、事業施行区域内に所在した広範囲の保安林については、岡山県及び林野町と協議した結果、その指定解除を受けることができたが、その反面、団地周辺部に相当面積の保安林を残さなければならないことになった(本件(一)土地のうち、別紙(二)2、3、5ないし13、16及び17記載の各土地が昭和五二年三月新たに保安林に指定されている。)ため、大和ハウスは、本件(一)土地のうちから原告の希望する完全造成された土地六〇〇〇坪(一万九八三四平方メートル)を同土地に照応する換地として定めるとの前記約定を履行することが不可能となった。

そこで、大和ハウスは、熊山町側のうち、本件(一)土地の区域外における完全造成地を代替地として提供することを中川を介して原告に申し出たが、原告は、同社の右申出に応じず、かえって同社に対し、岡山ネオポリスのうちでも熊山町側よりも岡山市に近く、地価も高く、将来の売却が容易な山陽町側への換地を強く希望した。

他方、原告は、本件(一)土地をめぐるこれまでの中川の仲介あっせん、助言の労を謝する意味で同土地の一部である別紙(二)の14、15及び18記載の三筆の土地合計面積九九〇〇平方メートルを昭和四七年一二月に同人に一〇〇万円(昭和四四年に豊が取得した価格)で売却(但し、中川が実質的に取得したのは別紙(二)の14及び18記載の土地である。)していた。

そこで、原告及び大和ハウスは協議の結果、原告が既に右三筆の土地を中川に売却していたこと及び熊山町側と山陽町側の地価の違いなどの事情を考慮して、当初の約定を、大和ハウスにおいて山陽町側で完全造成地四三〇〇坪(一万四二一四平方メートル)を原告に取得させることに変更することで合意に達し、原告は、昭和五一年四月一日付で大和ハウスに対して「念書」と題する書面(乙第六号証はその写し)を差入れた(乙第六号証の作成日は、当事者に争いがない。)。

(六)  ところが、前述のとおり、岡山ネオポリスの山陽町側は、既に昭和四九年八月二一日付で岡山県知事の認可を受けて土地区画整理事業として事業を施行していたので、換地処分により原告が換地を取得するためには、当該事業の施行区域内に従前地を所有していることを必要とした。そのため、原告と大和ハウスとは、昭和五一年四月一〇日付で原告の所有地たる本件(二)土地三一筆合計面積八万五二五〇平方メートルと大和ハウスが当該土地区画整理事業の施行地区内に所有していた本件(三)土地九筆合計面積二万八六三四平方メートルとを交換することとし、その旨の土地交換契約書(乙第七号証はその写し)を取り交わした。

また、右交換契約によって原告が取得した本件(三)土地についても、大和ハウスと原告は、同日付で前記昭和四七年一二月二六日付の本件(一)土地にかかる約定書及び地上権設定契約書と同内容の約定書(乙第八号証はその写し)及び地上権設定契約書(乙第九号証はその写し)をそれぞれ取り交わした。

そして、右交換契約に伴う所有権移転登記手続は、岡山地方法務局瀬戸出張所において、同年一一月二日それぞれこれを了し、また、本件(二)土地に対する地上権設定契約についても、同日その設定登記を経由した(登記の点は、当事者間に争いがない。)。

2  本件譲渡所得の収入金額の権利確定時期について

(一)  譲渡所得に対する課税は、資産の値上りによりその資産の所有者に帰属する増加益(いわゆるキャピタル・ゲイン)を所得として、その資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会に、右保有期間中の増加益を清算して課税するものであるから、その課税所得たる譲渡所得の発生には、必ずしも当該資産の譲渡が有償であることを要しない(最高裁昭和四七年一二月二六日第三小法廷判決、民集第二六号巻第一〇号二〇八三頁参照)。従って、所得税法三三条一項にいう「資産の譲渡」とは、有償無償を問わず、資産を移転させる一切の行為をいうものと解すべきであり(最高裁昭和五〇年五月二七日第三小法廷判決、民集第二九巻第五号六四一頁参照)、交換も同項にいう「譲渡」に含まれることはもちろんであるから、譲渡所得として課税の対象となることは明らかである。

そして、資産の譲渡によって発生する譲渡所得についての収入金額の権利確定の時期は、当該資産の所有権その他の権利が相手方に移転する時であると解するのが相当である(最高裁昭和四〇年九月二四日第二小法廷判決、民集第一九巻第六号一六八八頁参照)。

(二)  そこで、これを本件についてみるのに、

(1) 前記認定のとおり、原告は、昭和五一年四月一〇日付で大和ハウスとの間に本件(二)土地と本件(三)土地との交換契約を締結しているところ、原告が同日、本件(三)土地につき、大和ハウスが土地区画整理事業を行うことに同意し、大和ハウスに対して地上権を設定していることは前記認定のとおりであり、このように右交換契約によって取得する土地について処分行為を行っている点に照らせば、原告は、同日、大和ハウスに対する本件(二)土地の引渡しを了し、同土地の所有権は、同日、大和ハウスに移転したものと認めるのが相当である。

従って、同日、同土地についての譲渡所得が発生したものというべきである。

(2) なお、原告は、本件(一)土地は、昭和四七年一二月二六日に既に大和ハウスに譲渡された旨主張し、右主張に沿う証拠として前掲甲第二号証を提出し、中川証言及び原告本人尋問の結果中にも右主張に沿う供述部分がある。

しかし、土地区画整理法八条一項によれば、個人施行者が、同法四条一項に規定する認可を申請するためには、その者以外に施行地区となるべき区域内の宅地について権利を有する者がある場合においては、事業計画についてこれらの者の同意を得なければならないとされており、本件(一)土地が右の宅地に当たることは、同法二条六項により明らかであるところ、昭和四七年一二月二六日付の原告と大和ハウス間の契約は、大和ハウスが岡山ネオポリスのうち熊山町側で施行する予定であった土地区画整理事業について、本件(一)土地をその施行区域に含めて認可申請をすること並びに事業計画及び換地計画につきあらかじめ同意をすることを主たる内容とするものであるから、右約定は、土地区画整理事業を円滑に進めるため、同法八条一項の同意をあらかじめ約束するものとして作成されたものと認めるのが相当である。

そして、右同意が譲渡所得の原因である「資産の譲渡」に当たらないことはいうまでもなく、右時点では、原告の取得する完全造成地がいまだ特定していなかったことは、前記認定の事実により明らかであるところ、更に、前掲乙第七、第一七及び第一八号証、原本の存在及び成立について争いのない乙第一九及び第二〇号証、本田証言、中川証言並びに原告本人尋問の結果を総合すると、次の各事実が認められ、この認定を左右するに足りる証拠はない。

(イ) 大和ハウス側においても、昭和四七年の前記約定により本件(一)土地の所有権が大和ハウスに移転したとは考えておらず、この時点では、本件(一)土地を資産の取得として帳簿上記載していなかった。

(ロ) 原告も、右約定によって本件(一)土地を大和ハウスに譲渡したという意識までは有しておらず、この約定によって同社が同土地上で自由に造成工事等を行うことを認めたのにすぎないと考えていた。

(ハ) 原告は、前記約定の締結日と同じ日である昭和四七年一二月二六日付で本件(一)土地の一部であり、かつ、右約定の対象物件でもある別紙(二)の14、15及び18記載の三筆の土地を中川に譲渡し、その代金を受領している。

(ニ) 中川は、右三筆の土地の一部である別紙(二)の14及び18記載の土地を同人が実質上の経営者である訴外中川土地開発有限会社(その後、商号を有限会社中川土地コンサルタントに変更、代表者は中川の妻である訴外中川信子、以下、「中川土地開発」という。)に譲渡し、同社は、昭和五一年四月一〇日に右土地について大和ハウスとの間で原告が同社との間に締結したのと同じ内容を有する土地交換契約をし、その旨の契約書(乙第一八号証はその写し)を取り交わした。そして、中川土地開発は、昭和五〇年五月一日から昭和五一年四月三〇日までの事業年度では、前記三筆の土地を自社の棚卸資産とする旨の確定申告書を岡山東税務署長宛に提出していたところ、同年五月一日から昭和五二年四月三〇日までの事業年度では、これに代わる山陽町の土地を棚卸資産とする旨の確定申告書を同税務署長宛に提出している。

従って、昭和四七年一二月二六日の時点で既に本件(一)土地を大和ハウスに譲渡したとする原告の主張は、採用できない。

3  譲渡所得金額の計算について

(一)  大信観光開発へ譲渡した分について

(1) 被告の主張第3項(一)の(1)の事実及び原告が同(1)記載の二筆の土地を昭和四四年一月一日以後に取得したことは、当事者間に争いがない。

右の事実によれば、原告が大信観光開発に譲渡した二筆の土地についての譲渡所得の課税については、措置法三二条の規定が適用されることは明らかである。

(2) 成立に争いのない乙第一号証及び弁論の全趣旨によれば、右土地の取得費並びに譲渡費用(仲介手数料及び交通費等)はそれぞれ二七万六二〇〇円及び四五万円であることが認められ、右認定に反する証拠はない。

(3) 従って、原告が前記二筆の土地を大信観光開発へ譲渡したことによって生ずる譲渡所得の額は、譲渡価額五五二万四〇〇〇円から取得費及び譲渡費用の合計額(必要経費)を控除した四七九万七八〇〇円となる。

(二)  大和ハウスと交換した分について

(1) 前記認定のとおり、原告は、本件(二)土地を昭和五一年四月一〇日に大和ハウスに譲渡したものであるが、これらの土地が昭和四四年一月一日以後に取得されたものであることは、前記二の1の(二)で認定した事実により明らかである。

よって、右土地の交換に係る譲渡所得の課税についても措置法三二条が適用されることになる。

(2) 本件(二)土地の収入金額について

(イ) 本件(二)土地の交換による譲渡所得の収入金額は、所得税法三六条一項かつこ書及び同条二項の規定によれば、当該物を取得した時における価額、すなわち原告が交換により大和ハウスから取得した本件(三)土地九筆合計面積二万八六三四平方メートルの昭和五一年四月一〇日現在の時価によることになる。

(ロ) そこで、本件(三)土地の前同日当時における価格について検討するのに、特定の土地の時価を算出する場合、当該土地の実測面積が明らかであり、近傍に地価公示法六条の規定により公示された標準地(以下、「標準地」という。)又は国土利用計画法施行令九条一項の規定による基準地(以下、「基準地」という。)があれば、その面積及び価額によるべきであることはいうまでもないが、実測面積が不明で、かつ、近傍に標準地又は基準地が存在しない場合には、他の合理的な方法によって時価を算出し、これをもって当該土地の価格とみなすことも許容されるものというべきである。

(ハ) よって、これを本件についてみるのに、成立に争いのない乙第五三号証、本田証言により真正に成立したものと認められる乙第一三、第一四及び第一六号証(第一三、第一四号証については原本の存在も認められる。)、同証言並びに弁論の全趣旨を総合すれば、次の各事実が認められ、中川証言中この認定に反する部分は、右の各証拠に照らせばにわかに信用することができず、他にこの認定を左右するに足りる証拠はない。

〈1〉 本件(三)土地の実測は行われておらず、その実測面積は不明である。

〈2〉 大和ハウスは、岡山ネオポリス開発事業の施行に関し、山陽町に対して昭和四六年二月一五日付協定書(乙第一三号証はその写し)に基づき、山陽町内の用地約二五〇ヘクタールを一括して買収できるようその取りまとめと用地買収に伴い換地を必要とする場合の換地のあっせん等を依頼していた。そして、その実施細目は、同日付覚書(乙第一四号証はその写し)に定めるところによるものとされていたが、右覚書には次のような定めがあった。

〈イ〉 買収面積は、公簿面積により、山林及び原野であるものについては、実測見込面積によるものとする。但し、分筆を必要とするものについては、実測とする。

〈ロ〉 実測見込面積の算出は、台帳面積を基礎とし、縄延び比率を乗じてでた面積とする。

そして、右縄延び比率は、大和ハウス及び山陽町が依頼した測量業者において、まず岡山ネオポリスの山陽町側計画区域全体の面積を測量し(測量費用は大和ハウスの負担)、これから縄延びのそれほどない農地(田畑)の公簿面積を控除したものを、右計画区域の公簿面積から右農地相当分の公簿面積を控除したもので除するという方法で求められ、その結果二・二八という数値が算出されたが、大和ハウス及び山陽町は、いずれもこの数値を了承し、この縄延び比率によって山陽町側の買収が行われた。

〈3〉 本件処分当時、岡山ネオポリス開発事業施行区域内には、標準地又は基準地は存在せず、本件(三)土地の近隣地域又は同一需給圏内の類似地域における本件(三)土地と類似の土地の取引事例としては、昭和五一年中に熊山町弥上地区において、大和ハウスが岡山ネオポリスの用地買収の一環として、一反当たり一〇〇万円で七、八人の地主から山林を買収した事例があるだけである。

〈4〉 なお、岡山ネオポリス開発事業施行区域のうち、熊山町側の土地については、昭和四六年ころまでに国土調査法二条一項三号に規定する地籍調査が行われ、その成果に基づいて地積の更正登記が行われているので、登記簿記載の地積は実測面積である(従って、右買収も、登記簿記載の面積が実測面積と一致するものとして行われたものと推認される。)。

(ニ) 他方、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる乙第一五号証によれば、昭和五〇年九月から同五一年九月までの間の六大都市(東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸)を除く地域における六か月毎の用途地域別平均の地価変動率は、〇・五ないし〇・九パーセントであって、他の年度と比較すると極めて少なかったことが認められ、また、前記買収事例について、特段の個別的事情の存在又は岡山ネオポリス若しくはその周辺において、昭和五一年中に特別の地価の変動が生じたことを認めるに足りる証拠はない。

(ホ) もっとも、前掲乙第五三号証によれば、本件(三)土地のうち、別紙(三)の2記載の土地は、地目を堤、地積を一〇三一平方メートルとして表示登記がされていたものを、昭和五〇年一〇月二九日に錯誤を理由に地積を一五三八平方メートルとする更正登記が行われたうえ、同日の受付により大蔵省名義の保存登記が経由され、その後、昭和五一年二月七日受付により交換を原因として大和ハウスに所有権移転登記が経由されていることが認められ、右認定に反する証拠はない。

右事実によれば、同土地については、大蔵省から大和ハウスに対し交換により譲渡される際実測に基づいて地積の更正登記が行われたものと推認するのが相当である。

(ヘ) 以上述べたところによれば、本件(三)土地のうち、別紙(三)の1及び3ないし9記載の土地の公簿面積(本件(三)土地の公簿面積については、当事者間に争いがない。)合計二万七〇九六平方メートルに前認定の縄延び率二・二八を乗じ、これに別紙(三)の2記載の土地の公簿面積一五三八平方メートルを加えて実測見込面積六万三三一六平方メートルを算出し、これに前記認定の取引事例から算出した一平方メートル当たりの単価一〇一〇円(三・三平方メートルを一歩として計算した。)を乗じて得た六三九四万九一六〇円をもって、本件(三)土地の昭和五一年四月一〇日現在における一応の合理性のある算定価格ということができる。

そして、他に、同土地の価格の合理的な算定方法又は適切な基準についての主張立証はなく、また、本田証言によれば、大和ハウスは、昭和五五年九月に山陽町側の区画整理事業の換地処分を完了し、これにより完全造成された宅地を一坪当たり平均九万円で一般に分譲していることが認められ、この認定に反する証拠はないので、原告は、本件(三)土地を取得することにより、その換地として時価三億円以上の宅地を取得していることになり、この事実に照らしても、右算定価格が高きに失するものではないことが明らかである。

(ト) なお、原告は、本件(三)土地は、山陽町側に四三〇〇坪(一万四二一四平方メートル)の完全造成地を取得するために形式的に取得したものにすぎず、土地の面積がどれだけであるかについては、原告及び大和ハウスは全く関心がなかったものであり、このような形式的な意味しか有せず、かつ、不確実な根拠に基づく同土地の実測見込面積を基礎として譲渡所得金額を算定することは違法である旨主張し、中川証言及び原告本人尋問の結果中には、右主張に沿う供述部分がある。

しかしながら、土地区画整理法八九条一項によれば、「換地計画において換地を定める場合においては、換地及び従前の宅地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等が照応するように定めなければならない。」とされており、更に、同法八六条一項によれば、換地計画については、都道府県知事の認可を受けなければならないとされているのであるから、換地計画に基づき四三〇〇坪(一万四二一四平方メートル)の換地を取得するために従前地として所有していなければならない土地の面積は、おのずから確定するはずである。

従って、右の点に照らしても、原告の主張に沿う前記供述はたやすく信用することができない。

そして、かえって本田証言によれば、大和ハウスは、昭和五一年の土地交換契約を締結するに際しては、原告所有の本件(二)土地の面積を基準とし、これに前述した縄延び比率及び山陽町と熊山町の地価の違いなどを総合考慮した結果、本件(三)土地を本件(二)土地と交換することを決めたことが認められ、右認定を左右するに足りる証拠はない。

よって、原告の右主張は、その前提を欠くものとして、採用できない。

(3) 本件(二)土地の取得費について

(イ) 原告が本件(二)土地のうち、別紙(二)の22、28及び29の三筆の土地を除く二八筆計画積七万六五六七平方メートルを昭和四七年一〇月一〇日付で豊から贈与によって取得したことは、当事者間に争いがない。

ところで、右土地の贈与に関し、贈与者たる豊から所得法五九条二項(昭和四八年法律第八号による改正前のもの)に規定する書面の提出があったことを認めるに足りる証拠はない。

よって、同法六〇条二項により、原告は、右土地を贈与を受けた時である昭和四七年一〇月一〇日時点の価額に相当する金額により取得したものとみなされることとなる。

(ロ) 前掲乙第一六号証、第二二、第二三号証及び第二五ないし第三五号証、成立に争いのない乙第一二号証(原本の存在とも)、第二一号証、第二四号証及び第三六ないし第五一号証、本田証言並びに弁論の全趣旨を総合すれば、次の各事実が認められ、この認定を覆すに足る証拠はない。

〈1〉 本件(二)土地のうち、別紙(二)の22、28及び29記載の三筆の土地を除く二八筆は、国土調査法二条一項三号に規定する地籍調査が行われ、その結果に基づいて昭和四六年九月一八日付で地積の更正登記がされており、登記簿に記載されている地積は実測面積である。

なお、別紙(二)の17及び24記載の土地は、右更正登記が誤っていたため、右17の土地は昭和五一年二月二七日、右24の土地は同年四月六日、それぞれ地積の再更正登記を了している。

従って、右の二筆については再度更正後の、残りの二六筆については更正後の各地積を合計した七万六五六七平方メートルが前記二八筆の土地の実測面積である。

〈2〉 岡山ネオポリス開発事業施行区域内には標準地又は基準地は存在せず、また、昭和四七年当時は、大和ハウスが右地域内の土地の買収を進めていた時期に当たるため、前記二八筆の土地と類似の土地の取引事例としては、こうした買収事例以外には適当な土地の取引事例は存在しなかった。

〈3〉 大和ハウスの熊山町側の用地買収は、町があっせんをした山陽町側とは異なり、同社が各地主との個別交渉によりこれを施行したが、同社は、各地主との個別交渉の際の統一的な用地買収基準を作成し、昭和四五年以降昭和四七年に至るまで、右の基準に則って用地買収を進めた。そして、右基準は、現況地目が山林及び原野であるものについては、一反当たり一五万円で買収することとしており、保安林及び雑種地についても同じ単価で買収することとしていた。

〈4〉 別紙(二)の22、28及び29記載の土地合計面積八六八三平方メートルは、原告が、昭和四七年一〇月一〇日付の前記土地交換契約により、同日、大和ハウスから交換によって取得したものであり、右土地についても、地籍調査が行われているので、登記簿記載の地積八六八三平方メートルは実測面積である。

(ハ) 右認定事実によれば、大和ハウスが熊山町側で用地買収を行うに際して用いた基準は、同社が独自に策定したものではあるが、同社がことさら買収価格を抑える目的で右基準を設定したというような事実又は同地区内の多くの地主が同基準に基づく買収価格を不満として、買収に反対したというような事実を認めるに足りる証拠はないので、右の買収基準は、本件(二)土地の昭和四七年一〇月一〇日現在の時価を算出する基準として適切なものであるということができる。

従って、本件(二)土地から別紙(二)の22、28及び29記載の土地を除いた二八筆の土地の面積七万六五六七平方メートルに右基準から算出した一平方メートル当たりの単価一五一円(三・三平方メートルを一歩として計算した。)を乗じて得た一一五六万一六一七円をもって、原告が同土地を贈与により取得したときの一応の合理性のある算定価格ということができ、また、別紙(二)の22、28及び29記載の土地の面積八六八三平方メートルに右の一平方メートル当りの単価一五一円を乗じて得た一三一万一一三三円をもって、原告が同土地を交換により取得したときの一応の合理性のある算定価格ということができる。

そして、他に、右各土地の価格の合理的な算定方法又は適切な基準についての主張立証はない。

(ニ) よって、本件(二)土地の取得費は、前記二八筆の土地の取得価格一一五六万一六一七円と前記三筆の土地の取得価格一三一万一一三三円との合計額である一二八七万二七五〇円となる。

(4) 譲渡費用について

被告の主張第3項(二)の(4)の事実は当事者間に争いがない。

(5) よって、原告が本件(二)土地を大和ハウスへ譲渡したことによって生ずる譲渡所得の金額は、譲渡価額六三九四万九一六〇円から取得費一二八七万二七五〇円を控除した五一〇七万六四一〇円となる。

(三)  原告の昭和五一年分分離短期譲渡所得について

前記認定の事実によると、原告の昭和五一年分分離短期譲渡所得は、前記(一)の四七九万七八〇〇円に同(二)の五一〇七万六四一〇円を加えた五五八七万四二一〇円となる。

4  本件処分の適法性について

(一)  本件更正処分の適法性について

前述のとおり、原告の昭和五一年分分離短期譲渡所得金額は五五八七万四二一〇円であり、これは、本件更正処分における原告の同年分分離短期譲渡所得金額四三二三万二八四五円を上回るものである。

よって、右五五八七万四二一〇円の範囲内で分離短期譲渡所得を認めた本件更正処分には違法はない。

そして、本件更正処分には他に違法のかどは認められない。

(二)  本件過少申告加算税賦課決定処分の適法性について

(1) 原告が期限内に別紙(一)確定申告欄記載の確定申告をしたことは、当事者間に争いがない。

ところで、前記(一)で述べたとおり、原告の昭和五一年分分離短期譲渡所得金額は、五五八七万四二一〇円であるから、原告は、右確定申告に際しても、右金額を含めた所得税の確定申告をしなければならなかったものである。

ところで、原告が右金額を含めて確定申告をしなかったため、本件更正処分を受けたことは、弁論の全趣旨により明らかである。

(2) また、本件(二)土地の譲渡所得を計算の基礎に加えなかったことについて、国税通則法六五条二項但し書に規定する「正当な理由」の存在を認めるに足りる証拠はない。

(3) 従って、本件過少申告加算税賦課決定処分は適法である。

(三)  以上のとおりであるから、本件処分は適法であり、これを違法とする原告の主張は、いずれも理由がない。

三  結論

よって、原告の本訴請求は、いずれも理由がないものとして、これを棄却し、訴訟費用の負担について行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 村上博巳 裁判官 笠井昇 裁判官 田中敦)

別紙(一)

〈省略〉

別紙(二)

〈省略〉

〈省略〉

所在地、地番、地目、公簿面積及び実測面積は、いずれも昭和四七年一二月二六日現在のもの、但し、23の土地については、いずれも昭和四八年一月八日現在のもの。

別紙(三)

〈省略〉

所在地、地番、地目及び面積は、いずれも昭和五一年四月一〇日現在のもの。

別紙(四)

〈省略〉

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